2014/06/15

On stage


 私の指定席はいつもここ。舞台の最上段。
 何とかタンバリンの修理も本番に間に合った。音色がずば抜けて華やかで明るい音がする。
 チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は、数あるクラシックの曲の中でも、ダントツにタンバリンが活躍する曲。動画でお見せしたくなるような技巧を色々駆使して演奏してきた。

 オーケストラなので、指揮者ひとりに対して奏者は80人ぐらいいる。だけど、個人的には、いつも指揮者と一対一で対話しているような気分になる。もちろん言葉は全く発しない。指揮者は指揮や表情でこちらにものを言うし、こちらはそれに音と表情で応える。(そしてたまに、指揮者がそれに表情で返してくれる時もある)
 それが楽しいので、案外本番は緊張しない。昨日は、本番でヒートアップしたマエストロが、やたらめったら手を震わせていたので、笑いをこらえるのに必死だった。私に「もっとタンバリンを振れ!」と言いたかったのだった。マエストロ、こちらは既に物理的限界に来ています…。

 指揮者と演奏者の関係も、キリストと人間の関係の形をとっているんだなあ、と思いながら、舞台の上でぼうっと座っていた。くるみ割り人形、演奏時間20分のうち、私が演奏するのは5分ぐらい。のこりの15分は座っているのが仕事なのだ。
 ワクワクドキドキしながらも、しみじみ祝福された時間だった。

 ぼーっとしてたら、客席上のライトが、ハート型に光るのも見えた。客席からはわからないものだ。舞台の上にいるから見える、味わえること。あぁ、また乗りたい。

3 件のコメント:

  1. 15分間、音を出さずに演奏に参加する。いいですね。打楽器の立ち位置も好きです。
    22日は間に合えば奈良ムジーク聴きに行こうかなと思っています。

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  2. 吹奏楽とオーケストラでの打楽器の立ち位置や意味づけは全く違います。圧倒的にオーケストラの方が好きです。舞台上での立ち居振る舞いも含めて演奏、と思っています。
    22日、お会いできるといいのですが。私も行く予定です。

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  3. そうですか。楽しみにしています。

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